審査結果について、ご挨拶。

 

 

ご挨拶が遅くなりましたが、9月5日をもって、とうほく学生演劇祭3は無事終了いたしました。宮城から2団体、新潟から1団体、青森から1団体。全16ステージ、延べ427名のお客様にご来場頂きました。ありがとうございました。


さて、今年度のとうほく学生演劇祭3において審査員賞の該当団体はありませんでした。
この結果、私たち実行委員会は第2回全国学生演劇祭にとうほく学生演劇祭3から団体を推薦しないという判断を下しました。

これについて、今オープンになっている情報以上の説明が必要であると思い、事務局より中村がコメントいたします。

一番初めに、この判断は決して後ろ向きなものではなく、むしろ演劇祭や学生演劇の将来の為に行った判断であって、

私たちは来年度以降もとうほく学生演劇祭を続けていく必要があり、続けていきたいと考えているということを述べておきます。

今回の判断にいたった経緯を説明するにあたり、審査員3名(国久暁氏、赤羽ひろみ氏、大河原準介氏)と実行委員会

(事務局中村大地、企画村上京央子)で行った審査会の流れを説明します。審査会当初から、

 

「4団体のなかで及第点と言えるような作品を提出したのは青森大学演劇団「健康」の『雨恋』のみである」

 

というように3名の審査員の意見は一致していました。

そこからの議論の大部分は、「健康」に大賞を与えるかどうか、に割かれました。

 

大賞の位置付けは各地域演劇祭ごとに異なりますが、私たちはこれまで審査員賞を大賞とし、大賞受賞団体を全国学生演劇祭へと送り出してきました。今年度のとうほく学生演劇祭3もその流れをくむものです。
加えて、今年は新たな“審査基準”を設けました。
審査員に事前に送った“審査基準”を、そのままここに引用いたします。(読みにくい箇所もありますがそのまま掲載します。)


 

 

まず、本演劇祭は高校演劇とは異なります。審査の際も教育的な配慮などする必要はありません。

忌憚のない御意見をいただければとおもいます。


また本演劇祭の大賞受賞団体(審査員賞を受賞した団体が該当します。)は、

2017年2月に開催する、京都ロームシアターで開催される「第二回全国学生演劇祭」への出場権が与えられます。

過去二年間、とうほく学生演劇祭で大賞を受賞した2団体はいずれも、夏に上演した作品の再演を全国大会までにブラッシュアップさせて上演しました。その成果には目を見張るものがあり、一年目の東北大学学友会演劇部は審査員賞、観客賞、委員会賞の三冠を達成、二年目のプリンに醤油は、賞こそ受賞できなかったものの高い評価を得ました。


本演劇祭の特色は、この「半年後に再演が求められる」というところにあるのではないかと思います。

全国大会に送り出すこと(再演)を前提にして、作品がどう変化していくのかという期待をしたくなる団体を、とうほく代表として全国大会に送り出したいと思える団体を、私たちは選出して頂きたいと考えています。


こうした基準も加味し、「健康」の“伸びしろ”について議論がなされましたが、

 

「もちろん“伸びしろ”はあるけれど、審査員自ら稽古場につきっきりになる、脚本を大きく書き直す、など大がかりな変更がなければ、“とうほくの代表として”全国学生演劇祭に作品を提出するレベルには至らないのではないか。」

 

という声が大きく、全国学生演劇祭へと積極的に推す審査員はいませんでした。

その上で、全国学生演劇祭にとうほく学生演劇祭から団体を選出しないことのリスクについて、

実行委員、事務局も交えて話し合われました。

 

「全国で出来の悪い上演をし、“ぼこぼこ”にされて帰ってくるというのも今後の彼らのためになるのではないか。」

 

「どのような出来であっても、全国学生演劇祭に出品し続けることが、とうほく学生演劇祭の継続のためなのではないか」

 

という意見も出ましたが、

 

「『全国にでない』という選択をすることで、とうほく学生演劇祭というハードルをあらためて提示することの方が、参加していない団体も含めた東北各域の学生演劇にインパクトを与えやすく、結果的にそれが刺激となって良い効果を生むのではないか」

 

という結論で審査員、実行委員ともにまとまり、審査員賞の該当団体を選出しないことに決定いたしました。
この結論には、審査会に立ち会った実行委員、特に事務局長である中村の意見も反映されていることを、言い添えておきます。

さて、このような結論をだしたとうほく学生演劇祭実行委員会にはミッションが生まれました。

 


・ひとつ、来年の演劇祭も開催し、今回悔しい思いをした各団体にリベンジのチャンスを提示すること。


・ふたつ、この結果を東北各域の学生団体に伝え、「とうほく学生演劇祭」の周知活動および来年の参加団体、

実行委員を募ること。


・みっつ、出場できなかった人たちをつれて、全国学生演劇祭を見に行くこと。

 


それぞれ実現の程度や内容はまだオープンには出来ませんが、東北各域の演劇部や学生劇団とできる限り広くやりとりを重ねながら、開催時期や内容の精査も含め、4回目の演劇祭に向けて進んでいく所存です。


今後ともとうほく学生演劇祭を、よろしくお願いいたします。

 


とうほく学生演劇祭実行委員会
事務局 中村大地